▼ セッションテーマ概要

[メールアドレスの(at)は、@にして下さい]

特別セッション


S01 鉱物資源の地球化学 ~陸上鉱床から海底鉱物資源まで~

コンビーナー:
土岐知弘(琉球大) toki(at)sci.u-ryukyu.ac.jp
野崎達生(JAMSTEC) nozaki(at)jamstec.go.jp
中村謙太郎(東京大) kentaron(at)sys.t.u-tokyo.ac.jp
大竹翼(北海道大) totake(at)eng.hokudai.ac.jp
池端慶(筑波大) ikkei(at)geol.tsukuba.ac.jp

招待講演:
山田 亮一(東北大学)
「黒鉱鉱床の多様性と熱水循環系の規模」
招待講演:
藤田 豊久(東京大学)
「海底鉱物資源回収のための選鉱学の応用に関する研究」
基調講演:
川口 慎介(海洋研究開発機構)
「海底資源開発の環境影響評価と地球化学研究」

本セッションは、資源研究・鉱床学に関して、これまで得られてきた知見をまとめ、これから地球化学として取り組むべき課題について議論することを目的とする。鉱床形成には、元素の供給源・運搬・濃集機構の3つが鍵となるが、これらには各元素の地球化学的性質はもとより、断層や背斜などの構造地質学やテクトニックセッティング、母岩の火成岩岩石学、間隙水や熱水などの地球化学、空隙率や透水率などの物性、バイオミネラリゼーションや地球史を通じた環境変動、といった様々な分野・プロセスが関与すると考えられる。そこで、本セッションは、陸上・海底の鉱物資源に限らず、資源地球化学に関する幅広い研究成果の発表及び議論の場としたい。


S02 鉄の地球微生物学と地球化学

コンビーナー:
光延聖(静岡県立大) mitunobu(at)u-shizuoka-ken.ac.jp
加藤真悟(Univ. Delaware) iwashifish(at)gmail.com
牧田寛子(JAMSTEC) makita(at)jamstec.go.jp

招待講演:
加藤 真悟(デラウェア大学)
「微好気性鉄酸化バクテリアの生理・分布・ゲノム・排泄物と、その生物地球化学的意義」
招待講演:
:加藤 創一郎(産業技術総合研究所)
「導電性鉄鉱物との電子授受に基づく微生物代謝」
招待講演:
鈴木 智子(日本女子大学)
「鉄酸化細菌がつくる酸化鉄の構造と物理化学的解析」
招待講演:
髙島 千鶴(佐賀大学)
「鉄質温泉堆積物に見られる縞状組織の生成プロセス」

鉄は、地球表層に豊富に存在する元素であり、ほぼすべての生物にとって不可欠な金属である。海洋地殻、大陸地殻といった岩石圏および堆積物や土壌にも多くの鉄が含まれている。生息する微生物は鉄をエネルギー源や生体成分として利用し、結果として微生物活動は鉄の物質循環に大きなインパクトを与え続けてきた。また、微生物によって作られる鉄バイオミネラルは、その巨大な表面積に起因して高い金属吸着能を有し、鉄以外の元素の環境動態にも大きな影響を与えている。このセッションでは、鉄の地球微生物学と生物地球化学に焦点を絞り、いまだ解明されていない微生物-鉄-鉱物(岩石)相互作用を明らかにする研究発表を募集したい。本研究課題の解明には、地球化学、地球微生物学、地質学、鉱物学、分子生物学、生態学といった多様なアプローチの結集が必要であり、普段地球化学会に参加されない研究者らとともに学際的な議論を進める場にしたい。また、鉄の地球微生物学、地球化学に関わる個々の研究者をつなぐ人的ネットワーク構築の場としてもセッションを活用したい。


S03 大気水圏光化学反応過程

コンビーナー:
佐久川弘(広島大) hsakuga(at)hiroshima-u.ac.jp
河村公隆(北海道大) kawamura(at)lowtem.hokudai.ac.jp
新垣雄光(琉球大) arakakit(at)sci.u-ryukyu.ac.jp
渡辺幸一(富山県立大) nabe(at)pu-toyama.ac.jp

招待講演:
金谷 有剛(海洋研究開発機構)
「対流圏大気のOHラジカル計測と酸化過程の理解」
招待講演:
三小田 憲史(埼玉大学大学院)
「海水成分存在下における多環芳香族炭化水素の光化学反応過程とその生成物」
招待講演:
秋元肇(国立環境研究所)
「大気中における有機エアロゾルの生成に係わる不均一反応」

大気液相(雨、雲、エアロゾル表面など)および海水や河川水などの天然水中において、太陽光照射に起因する化学物質の分解反応や酸化還元反応が起こっている。有機物の分解反応においては、直接分解のほかにヒドロキシルラジカル、スーパーオキシド、過酸化水素、過酸化脂質などの活性酸素種の二次的生成による間接分解も起こっている。海洋表層においては、溶存有機物の光分解は生物分解と同様に炭素循環に大きく貢献している。従来、大気液相および天然水中の光化学反応過程に関しては、反応に関与する活性酸素種の測定が困難なため十分に明らかにされてこなかった。本セッションでは、活性酸素種の測定および動態、炭化水素、有機酸などの有機物の光分解機構の解析などを中心に最近の研究成果を発表・討議する。


基盤セッション


G01 大気微量成分の地球化学

コンビーナー:
宮崎雄三(北海道大) yuzom(at)lowtem.hokudai.ac.jp
岩本洋子(東京理科大) iwamoto(at)rs.tus.ac.jp
豊田 栄(東京工大) toyoda.s.aa(at)m.titech.ac.jp
角皆 潤(名古屋大) urumu(at)nagoya-u.jp

招待講演:
林健太郎(農業環境技術研究所)
「高CO2・気候変動下の大気−水田間の窒素交換」

地球温暖化、成層圏オゾン層破壊、大気汚染など、大気組成の変化に起因する地球環境問題を理解するためには、人為起源・自然起源等に由来する大気微量成分の挙動を詳細に把握することが不可欠である。また、大気微量成分の変動と生物圏との相互作用は気候変動や生物多様性、主要元素の生物地球化学的な物質循環にも影響を与える。本セッションでは、フィールド観測、室内実験、モデリング等、様々な地球化学的手法を用いた温室効果気体、反応性微量気体、エアロゾル等の放出・輸送・化学変質・沈着、および大気圏と生物圏との相互作用などについて議論を行う。


G02 古気候・古環境解析の地球化学

コンビーナー:
中塚 武(地球研) nakatsuka(at)chikyu.ac.jp
入野智久(北海道大) irino(at)ees.hokudai.ac.jp
横山祐典(東京大) yokoyama(at)aori.u-tokyo.ac.jp
渡邊 剛(北海道大) nabe(at)mail.sci.hokudai.ac.jp
原田尚美(JAMSTEC) haradan(at)jamstec.go.jp

古気候・古環境の復元と解析は地球化学の代表的応用分野のひとつである。近年における研究フィールドの時空範囲の拡大と高密度化、多種試料・マルチプロクシを用いた解析の採用により、データとモデルとの整合性の検証も発展してきた。本セッションでは、対象試料(堆積物、サンゴ、樹木、アイスコア、鍾乳石等々)や分析・解析手法の垣根を越えて様々な古気候・古環境研究成果を一同に持ち寄り、それらの相互比較・解析を行うことで、様々なタイムスケールでの気候・環境変動機構の理解と予測能力の向上を目指す。


G03 放射性廃棄物と地球化学

コンビーナー:
日高 洋(広島大) hidaka(at)hiroshima-u.ac.jp
吉田英一(名古屋大) dora(at)num.nagoya-u.ac.jp
大貫敏彦(原子力機構) ohnuki.toshihiko(at)jaea.go.jp
河田陽介(三菱マテリアル) kawata(at)mmc.co.jp

基調講演:
吉田 英一(名古屋大学)
「Feコンクリーションに学ぶ地下環境中のFe(水)酸化物の長期挙動アナログ」
招待講演:
富岡 祐一(一般財団法人電力中央研究所)
「三浦半島西部沿岸域における地下水年代測定による地下水流動場の評価」

放射性廃棄物の地層処分に関する研究は学際領域であるが、地球化学の貢献度はとりわけ高く、重要である。放射性核種の地球化学的挙動、ウラン・トリウムをとりまくナチュラルアナログ、岩石・水相互作用、無機物と有機物の反応、微生物による鉱化作用など様々な観点から放射性廃棄物に関する基礎研究について議論し、これに関する今後の地球化学的研究の発展を考える。また、本セッションでは環境放射能が自然環境に与える影響等に関する話題提供についても歓迎する。


G04 鉱物境界面の地球化学、水-岩石相互作用

コンビーナー:
福士圭介(金沢大) fukushi(at)staff.kanazawa-u.ac.jp
大竹 翼(北海道大) totake(at)eng.hokudai.ac.jp
斎藤拓巳(原子力機構) saito.takumi(at)jaea.go.jp
鈴木庸平(東京大) yohey-suzuki(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
柏原輝彦(JAMSTEC) teruhiko-kashiwa(at)jamstec.go.jp
高橋嘉夫(東京大) ytakaha(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp

招待講演:
高橋 聡(東京大学)
「ペルム紀末大量絶滅期の還元環境における微量元素の挙動」
招待講演:
元川 竜平(日本原子力研究開発機構)
「バーミキュライト及び風化黒雲母懸濁液のナノ-メソ構造とセシウムイオンの吸着挙動
-X線・中性子小角散乱法で明らかにできること-」

水-岩石相互作用は、地球深部から表層に到るまで、水惑星である地球で起きる化学プロセスの多くを含む。本セッションでは、このような水-岩石相互作用に関する研究を広く募る。また特に、水-岩石反応の主要な反応場である固液界面の化学現象の役割について議論したい。水を介した化学プロセスの研究であれば、天然試料の分析、室内実験、各種モデリング、分析法の開発、微量元素、同位体、環境微生物学など、いかなる分野も包含する。


G05 海洋における微量元素・同位体

コンビーナー:
小畑 元(東京大) obata(at)aori.u-tokyo.ac.jp
堀川恵司(富山大) horikawa(at)sci.u-toyama.ac.jp
田副博文(弘前大) tazoe(at)hirosaki-u.ac.jp
高野祥太朗(京都大) shotaro(at)inter3.kuicr.kyoto-u.ac.jp

基調講演:
武内 章記(国立環境研究所)
「海洋環境における水銀の形態変化と生物移行」

近年のクリーン技術・分析技術の進化により、海水中の微量元素・同位体に関する研究は大きく発展した。国際GEOTRACES計画の下、世界的にも様々な成果が挙げられている。日本も国際GEOTRACES計画の一翼を担って研究を推進している。本セッションでは海洋における微量元素・同位体の生物地球化学に関わる幅広い研究を受け入れ、情報交換・交流の場を提供すると共に、次世代の海洋化学の発展を目指す。


G06 炭化水素資源の地球化学・深部炭素循環

コンビーナー:
早稲田周(石油資源開発) amane.waseda(at)japex.co.jp
坂田 将(産総研) su-sakata(at)aist.go.jp
鈴木徳行(北海道大) suzu(at)sci.hokudai.ac.jp
佐野有司(東京大) ysano(at)aori.u-tokyo.ac.jp

基調講演:
鍵 裕之(東京大学大学院)
「オスミウム同位体組成と微細組織からみた天然多結晶ダイヤモンド(カルボナド)の起源_地殻炭素の地球深部へのリサイクル」
招待講演:
稲垣 史生(国立研究開発法人海洋研究開発機構)
「海底下深部の非在来型炭化水素資源環境における生物地球化学的炭素循環とその環境規定要因」

在来型の石油・天然ガス資源に加えて、これまで非在来型とされてきたオイルサンド、コールベッドメタンの実用化が進むとともに、近年は北米を中心に急速に進展してきたシェールガス・オイルの開発が注目を集めている。また、未来の資源として、メタンハイドレートや微生物を使った炭化水素生産の研究開発も着実に進んでおり、炭化水素資源の多様化が著しい。本セッションは、これら資源としての可能性をもつあらゆる種類の炭化水素の地球化学について、分析法、特徴、成因など、多様な観点から議論したい。また、これまで研究されてきた炭素循環は大気・海洋など地球の表層に限られ、地球の全炭素量の10%を扱っているにすぎない。本セッションでは、地球のコアまで含めた深部の炭素循環についても議論する。


G07 マントル物質の化学とダイナミクス

コンビーナー:
石川 晃(東京大) akr(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
下田 玄(産総研) h-shimoda(at)aist.go.jp
鈴木勝彦(JAMSTEC) katz(at)jamstec.go.jp
小木曽哲(京都大) kogiso(at)gaia.h.kyoto-u.ac.jp

46億年にわたるマントルの地球化学的進化、全マントル規模での物質循環、地球化学的貯蔵庫の起源の解明などに関連した研究を対象とする。島弧火成岩、海洋島玄武岩、マントルゼノリス、オフィオライト、隕石等の岩石試料を用いた化学的研究、実験岩石学的研究、数値計算等、あらゆるアプローチの研究を歓迎する。


G08 宇宙化学・惑星化学

コンビーナー:
寺田健太郎(大阪大) terada(at)ess.sci.osaka-u.ac.jp
奈良岡浩(九州大) naraoka(at)geo.kyushu-u.ac.jp
圦本尚義(北海道大) yuri(at)ep.sci.hokudai.ac.jp

招待講演:
相川 祐理(筑波大学)
「星・惑星系形成領域の星間化学:モデルとALMA観測」

宇宙科学と惑星科学の無機化学的・有機化学的・物理化学的な研究成果の発表を募集する。銀河・太陽系・惑星・生命の起源と進化についての研究とそのための新しい研究手法(分析手法、実験手法、解析手法等)の提案を広く歓迎する。ただし、特別セッションにこの分野の一部に該当する特別テーマがある場合はそのテーマを除く。


G09 生物と有機物の地球化学

コンビーナー:
瀬戸繭美(奈良女子大) seto(at)ics.nara-wu.ac.jp
川口慎介(JAMSTEC) kawagucci(at)jamstec.go.jp
沢田 健 (北海道大) sawadak(at)mail.sci.hokudai.ac.jp
大河内直彦(JAMSTEC) nohkouchi(at)jamstec.go.jp

招待講演:
柳川 勝紀(九州大学大学院)
「熱水噴出孔下に存在する生命圏の限界」

地球表層の物質循環を考えるうえで、生物の活動を無視することはできない。多様な生命現象は、無数の化学反応を触媒して水素・炭素・窒素・酸素・硫黄だけでなく、様々な微量金属の動態も支配し、環境を形作り、生態系や生物群集構造にも影響を与えてきた。それゆえ生物と物質循環の相互作用の包括的な理解のためには,生物学・化学・地球科学の知識や手法を統合した学際的アプローチが必要である。本セッションでは、ミクロからマクロにわたるスケール、過去から未来にわたる時間軸に渡り、生物活動にまつわるあらゆる研究成果の発表と意見交換の場となることを目指す。


G10 水圏や土壌圏の環境地球化学

コンビーナー:
高橋嘉夫(東京大) ytakaha(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
板井啓明(愛媛大) itai(at)sci.ehime-u.ac.jp
光延聖(静岡県立大) mitunobu(at)u-shizuoka-ken.ac.jp
益田晴恵(大阪市立大) harue(at)sci.osaka-cu.ac.jp
田中雅人(東京大) tanamasa(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp

基調講演:
中野 孝教(総合地球環境学研究所)
「フューチャ―アースと多項目水質マップ作り :水圏・土壌圏環境地球化学の基盤形成」
招待講演:
橋本 洋平(東京農工大学)
「土壌およびイネ根圏土壌の酸化還元特性とカドミウムの化学種」

水圏や土壌圏などの地球表層におけるあらゆる環境化学的研究成果の発表を募集する。これらは、これらの系での化学的素過程を扱った研究やスペシエーション研究などの基礎的研究からモニタリング的な研究、さらに有害物質や有用元素の回収などの応用的研究などの含む。また対象物質としても、無機元素から有機物までを含む。これらの研究を系統的に概観することで、最先端の環境地球化学を展望したい。


G11 地球内部流体の化学

コンビーナー:
岩森光(海洋研究開発機構) hikaru(at)jamstec.go.jp
小木曽哲(京都大) kogiso(at)gaia.h.kyoto-u.ac.jp
石橋純一郎(九州大) ishi(at)geo.kyushu-u.ac.jp
野口直樹(岡山大) noguchi-n(at)okayama-u.ac.jp
益田晴恵(大阪市立大) harue(at)sci.osaka-cu.ac.jp

基調講演:
吉田 健太(大阪市立大学大学院)
「三波川変成帯・高圧変成岩中に捕獲された沈み込み帯深部流体のB-Li-Cl相対組成」
基調講演:
臼井 寛裕(東京工業大学)
「火星の水の起源および地殻-マントル相互作用に関する地球化学的研究:
水素同位体組成および揮発性元素濃度分析からの制約」

本セッションでは、マグマ、熱水、深部流体、鉱液などに代表される地球内部の流体、および流体の発生、移動、反応に関わる固体や固体中の包有物・結晶水などの流体成分に注目し、元素・同位体の輸送や分別・濃縮過程、生物活動との関わり、および地球進化における流体の役割などを幅広く議論します。


G12 最先端計測・同位体化学の地球化学及び境界領域への応用

コンビーナー:
平田岳史(京都大) hrt1(at)kueps.kyoto-u.ac.jp
武蔵正明(芝浦工大) mmusashi(at)sic.shibaura-it.ac.jp
横山哲也(東工大) tetsuya.yoko(at)geo.titech.ac.jp
大野剛(学習院大) takeshi.ohno(at)gakushuin.ac.jp
服部祥平(東工大) hattori.s.ab(at)m.titech.ac.jp
藤井俊行(京都大) tosiyuki(at)rri.kyoto-u.ac.jp
南 雅代(名大) minami(at)nendai.nagoya-u.ac.jp

試料を構成する元素、同位体、化学種の存在度、分布、移動、変化を空間的・時間的に調べ、それらを支配する法則や原理を用いて、地球や惑星を構成する物質の構造や循環を調べるのが地球化学である。最近の分析技術・データ解析技術の進歩、あるいは計算化学・実験研究に基づく現象素過程の包括的理解にともない、試料から得られる地球化学的知見の質と量は飛躍的に向上し、地球化学あるいはその関連学術研究は急速な深化を遂げている。本セッションでは、地球化学研究の推進展開を基盤から支える分析計測技術や方法論、それらの進歩を支える物理化学、計算理論科学、同位体科学に関する最新の理論・実験的研究を紹介するとともに、広く宇宙地球化学、環境化学、人文科学への研究展開を目的とした具体的研究協力体制の構築を推進する機会を提供する。


G13 原発事故で放出された放射性核種の環境動態

コンビーナー:
田中万也(広島大) kt0830(at)hiroshima-u.ac.jp
高橋嘉夫(東京大) ytakaha(at)eps.s.u-tokyo.ac.jp
本多牧生(JAMSTEC) hondam(at)jamstec.go.jp
福士圭介(金沢大学) fukushi(at)staff.kanazawa-u.ac.jp

2011年3月に発生した福島第一原発の事故により放出された大量の放射性核種は、大気、河川、海洋を媒体に広域に拡散している。この拡散に関連する研究は、初期の放射性核種の分布状況の観測・評価から、最近では個々の系での動態を支配する素過程の解明や拡散・輸送機構のモデル化に移行しつつある.本セッションは、このような放射性核種の環境動態の理解を目的に、関連した大気圏、水圏、土壌・岩石圏、生物圏を対象にしたあらゆる研究を対象にする。また、放射性核種の拡散・輸送機構の理解や拡散モデルの構築なども取り上げる。広い見地からの研究アプローチを取り入れるため、幅広い専門の研究者の参加を期待する。


G14 初期地球と生命起源の地球化学

コンビーナー:
古川善博 (東北大) furukawa(at)m.tohoku.ac.jp
薮田ひかる (大阪大) hyabuta(at)ess.sci.osaka-u.ac.jp
小宮 剛 (東京大) komiya(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
渋谷岳造(JAMSTEC) takazos(at)jamstec.go.jp
小林憲正(横浜国立大) kkensei(at)ynu.ac.jp

基調講演:
関根 康人(東京大学)
「比較惑星海洋学とハビタビリティ」
招待講演:
玄田 英典(東京工業大学)
「地球形成と初期進化」

生命の誕生の場となった初期地球はどのような環境だったのか。地球に供給されたさまざまな有機物を含む地球外物質はどのような組成を持ち、初期地球環境における非生物的な化学反応を経た後にはどのような生命前駆物質へ変化しえたのだろうか。先カンブリア時代における大気・海洋・内部の変動と生命の進化はどのような影響を互いに及ぼし合いながら関わり続けたのだろうか。両者の関係性を理解することは、地球外のハビタビリティの理解にも繋がる。本セッションでは、地球ー生命システムを支えるあらゆる元素(物質)を対象とし、化学進化室内実験、フィールド観察、地球・地球外試料分析といった多角度からこれらの問いに挑むあらゆる研究を歓迎する。また、本研究領域との接点がこれまで見出されていなかったものの、今後の展開に新たな切り口を与えるような異分野からの発表を積極的に歓迎する。


G15 海洋化学・大気化学(全般)

コンビーナー:
石橋純一郎(九州大) ishi(at)geo.kyushu-u.ac.jp
下島公紀(九州大) shita(at)i2cner.kyushu-u.ac.jp
大木淳(北海道大) ooki(at)fish.hokudai.ac.jp
亀山宗彦(北海道大) skameyama(at)ees.hokudai.ac.jp
野尻幸宏(弘前大) nojiri(at)hirosaki-u.ac.jp

本セッションは、大気の化学、海水と海洋生物の化学、海洋堆積物の化学を包含している。他のセッションとの関係では、大気・海洋界面の化学、海氷と化学、海洋表層の生物生産と二酸化炭素・生元素循環、海洋における物質輸送・沈降過程、CO2貯留の化学、海底熱水系、堆積物界面過程・続成過程、等が主要な研究領域と考えられるが、それに限るものではない。海洋と大気環境中の化学物質に関する理論、室内実験、観測、モデルなど、さまざまな地球化学に関わる手法を用いる研究を、幅広く募り議論したい。


G16 固体地球化学(全般)

コンビーナー:
折橋裕二(東京大) oripachi(at)eri.u-tokyo.ac.jp
小宮 剛(東京大) komiya(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
大野 剛(学習院大) takeshi.ohno(at)gakushuin.ac.jp
山本伸次(東京大) syamamot(at)ea.c.u-tokyo.ac.jp
角野浩史(東京大) sumino(at)igcl.c.u-tokyo.ac.jp

基調講演:
賞雅 朝子(放射線医学総合研究所)
「タングステン同位体から探る地球初期進化」
招待講演:
武多 昭道(東京大学)
「ニュートリノ振動を用いた地球深部の化学組成測定」

本セッションでは固体地球を構成する物質を用いた地球化学に関連するありとあらゆる研究を対象としている。特にこれまでの固体地球分野のカテゴリーに捕われない、大胆で萌芽的な研究発表を歓迎する。