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海水中ハロカーボンのヘンリー定数の決定とインド洋-南大洋におけるヨードエタンの大気海洋フラックスの測定
大木淳之(国立環境研),横内陽子(国立環境研)
Geochemical Journal, Vol. 45, pp.e1 to e7, 2011
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内容紹介:

揮発性の有機ハロゲン化合物(ハロカーボン)は大気中のオゾンを破壊すること、エアロゾルの生成に寄与することから大気化学反応に重要な役割を果たしている。海洋はハロカーボンの主要な起源と考えられており、大気海洋フラックスの分布を調べる必要がある。フラックスを計算する際には気体のヘンリー定数を用いるのだが、海水中ハロカーボンについてはヘンリー定数の報告値が不足している。本研究では、初めに多成分ハロカーボンの海水に対するヘンリー定数を決定した。ヨードエタンについては初めての報告である。そして、インド洋~南大洋で海洋観測(KH-09-5: GEOTRACES航海)を行い、ハロカーボンの大気と海水中分圧を高密度に測定した。ハロカーボンの大気海洋フラックスを計算したところ、生物生産の高い南大洋からヨードエタンが活発に放出されていることがわかった。