▼ 佐野有司 会員らの成果が Nature Communications にて発表されました

URL(1) Nature Communiction誌
  URL(2) 東京大学大気海洋研究所

1.発表者
佐野 有司(東京大学大気海洋研究所 海洋化学部門 教授)ほか
2.発表タイトル
東北沖地震に伴い深部流体がマントルから海溝までプレート境界を迅速に移動した
3.発表要旨
 マグニチュード9を超える巨大地震の発生には、上側の大陸プレートと下側の海洋プレートの境界面に存在する流体が重要な役割を果たしていると指摘されている。2011年3月11日の東北沖地震はオホーツクプレートと太平洋プレートの境界で発生し、これまで発生メカニズムを突き止めようとする研究がなされてきた。しかし、プレート境界面における深部流体の地球化学的性質を調べた研究は行われてこなかった。我々は東北沖地震の約一か月後に震源域近くの海底で採取した海水中にマントル起源のヘリウム同位体異常を発見した。この異常は地震に伴って深部の高圧流体がマントルから海溝域の海底までプレート境界の破断面を一気に移動したことを示唆する。

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