岩石の化学組成は?
 地表付近に存在する元素の割合を重量パーセントで表した数字に,クラーク数というものがあります。クラーク数によれば,(1) 酸素49.5 (2) ケイ素  25.8 (3)アルミニウム 7.56 (4) 鉄4.70 (5)カルシウム 3.39 (6)ナトリウム2.63 (7)カリウム 2.40 (8) マグネシウム 1.93 の順番になります。これらの元素が岩石に含まれていると考えれば良いでしょう。

 これらの元素のうち,(1)の酸素は,他の元素と化合して酸化物を作ります。ということは,地表付近で一番多いのは(2) ケイ素の酸化物(二酸化ケイ素)となります。岩石の多くは,珪酸塩というSiO44-を基本骨格にもった鉱物が集まってできています。その基本骨格の一部をAl2O3が置き換えたり,基本骨格の間を他の元素が埋めたりしています。花崗岩・安山岩・玄武岩といった火成岩ではSiO2 50~70%,Al2O3 10~15%,Fe2O3 2~10%と,比較的化学組成が狭い範囲に限られます。

 一方,堆積岩のうち生物が関与した岩石は,生物の元素濃縮により全く異なった化学組成を持つものがあります,たとえば放散虫が集まったチャートという岩石はSiO2が90%以上,フズリナが集まった石灰岩はCaCO3 95%などがあります。

 産業総合研究所の岩石標準試料のホームページには,色々な岩石の化学組成が掲載されています。一度ご覧下さい。

(山本鋼志)