SHORTCOURSE2025
ショートコース

ショートコース

日本地球化学会ショートコースは「地球化学を研究する上で必要となる基礎知識の包括的取得」や「最先端研究に触れることによる視点の拡大」を目的とし、主に学生・若手研究者を対象に毎年開催されています。

日時:2025年 9月16日(火)10:00-18:00 

開催方式:対面(講演のみzoom配信あり)

会場: 東北大学 北青葉山キャンパス 合同C棟 青葉サイエンスホール
地下鉄の降車駅は「青葉山」で北1出口です
北青葉山キャンパス(年会会場とは異なるキャンパス)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/campus/01/access/ 
青葉サイエンスホール (H 04)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/campus/01/aobayama/areah.html

参加申込

参加費: 日本地球化学会会員  無料
     非会員        1000円(銀行振込、キャンセルの場合でも返金不可)
日本地球化学会は非常にお得な学生パック制度を用意していますので、この機会に会員になることもぜひご検討ください。

申込期間:申込は 締め切りました(追加の参加希望者は下記問い合わせ先までメールしてください)

タイムテーブル

10:00 青葉サイエンスホール集合・受付(時間厳守)
10:05 青葉サイエンスホール出発
10:30 ナノテラス到着(徒歩・学内バス)
10:35 ナノテラス見学
12:00 見学終了・解散

12:00−13:00 昼食休憩(受付は1230より)

13:00−13:05 オープニング
13:05−14:05 栗栖美菜子先生 ご講演
14:05−15:05 高野祥太朗先生 ご講演
15:05−15:20 休憩
15:20−16:20 井上麻夕里先生 ご講演
16:20−17:20 山口保彦先生 ご講演
17:20−17:30 地球化学若手会の紹介
17:30−17:40 学生懇親会の紹介
17:40−17:45 閉会の挨拶
17:45−    交流会

講師(五十音順)

井上 麻夕里 先生(岡山大学)
「海洋の生物起源炭酸塩の利活用とその問題点」

  • 有孔虫やサンゴ、ウニなどの生物起源炭酸塩の微量元素や各種同位体比は、周囲の海水温や塩分などの変化に伴い変動することが知られているので、地球環境変動の解明において重要な役割を果たしている。しかし、これら生物の石灰化メカニズムについては様々なアプローチで研究されているものの、まだ未解明な点が多い。本発表ではこれら問題点を踏まえつつ、生物起源炭酸塩が環境指標として使える原理や応用例などについて紹介したいと考えている。

栗栖 美菜子 先生(東京大学大気海洋研究所)
「X線吸収微細構造法とその大気・海洋化学分野での応用例の紹介」

  • 放射光は、高輝度・波長連続性などの様々な特性を持ち、基礎研究から産業にわたり多く活用されている。日本には10個の放射光施設があり、ショートコースで見学するNanoTerasuは2024年に稼働した新しい施設である。地球化学の分野でも、特にX線分析の光源として放射光が広く用いられている。 本発表では特にX線吸収微細構造(XAFS)法について概説する。XAFS法は、入射X線のエネルギーを任意に変えながら元素ごとに特有のX線吸収を検出することで、目的元素の局所構造を明らかにすることができる。非破壊で分析できるという大きな利点も持ち、入射X線や検出器を工夫することで、幅広い応用が可能である。今回は私の研究分野である大気化学・海洋化学での研究例を紹介する。今回の見学と講演をきっかけに放射光に馴染みを持っていただければ幸いである。

高野 祥太朗 先生(京都大学 化学研究所)
「海洋における微量金属の分布と動態について」

  • 海水中の鉄や亜鉛などの微量金属は、pmol/kg~nmol/kgと微量であるにも関わらず,植物プランクトンの必須栄養素として,海洋の一次生産と地球の炭素循環に大きく影響します。近年の分析技術の進歩により、海水中の微量金属の濃度や同位体比を高精度で分析できるようになりました。本講演では、最新の微量金属分析手法と、それによって明らかとなった海洋における微量金属元素の分布と動態について解説します。

山口 保彦 先生(琵琶湖環境科学研究センター)
「ある地球化学研究者の育休取得:ケアと研究活動の両立について考える」

  • 育児などのケアの営みと研究活動の両立について、個人的な体験事例(報告がまだ比較的少ない男性育休の事例)をお話しするともに、最近の文献等をもとに様々な事例や社会背景も紹介します。演者(研究分野は水圏の有機・生物地球化学)は3年前に、第一子の出生に伴い、約2ヶ月半の育児休業を取得しました。その後の約5ヶ月半は、育児休業の取得はせずに、勤務時間を30%程度に減らした「半育休」状態でした。その後の2年以上も時短勤務状態としつつ、研究スタイルの変化・拡張も含めて、育児と研究活動の両方をなんとか回すことをトライしてきました。演者自身もまだまだ悩んでいる最中ですが、男女問わず、良きライフと研究キャリアを実現するために、どのようなことが望ましいのか、参加者の方々との議論も含め、考えていきたいです。

問合せ先

2025年日本地球化学会ショートコース運営委員会
鏡味沙耶(JAEA)・小坂由紀子(金沢大)・宮嶋祐典(産総研)(五十音順)・若木重行(企画幹事・歴博)
E-mail: wakaki@rekihaku.ac.jp(@を半角に変えて送信してください)